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まるこのフィギュアスケート言いたい放題

フィギュアスケート大好きなまるこが、バンクーバーオリンピック期間限定・・・・のつもりで始めた言いたい放題ブログです。シーズンが終わった現在も、言いたい放題やってます。
by maruko_skate

アイスショーの「捏造」報道を考える

シーズンが終わっても、色々と謎の多い報道が続くフィギュアスケート。本当は昨シーズンのことについても、まだまだ整理したいことがたくさんあるのですが(ロシェット選手のオリンピックの記事も中途半端なままです・・・汗)、今回は今話題になっている掲題の「捏造」報道について考えてみたいと思います。

まず最初にお断りですが、私は実はアイスショーは、生ではもちろん、テレビでもほとんど見たことがありません。(試合のエキジビションは見ますが。)なので、「アイスショー」そのものについての私の見解がズレたものであれば、申し訳ありませんが、コメントいただきたく思います。

さて、本題に移ります。
アイスショーにおいて「転倒シーンの編集(成功シーンとの映像差し替え)」を行うことが必ずしも悪であるとは、私は思いません。しかし、今回の件に全く問題がないとも思いません。今回私が問題だと思ったのは、番組が編集されていることが、視聴者やおそらくはショーの出演者に対して、事前に説明されていないということです。

例えばこの問題を、音楽における「録音」と「ライブ」に照らし合わせて考えてみましょう。
音楽の世界では、「録音物」における編集は当たり前のこととして、演奏する側も聴く側も前提条件として知っています。何度も何度も同じことを録音して、うまくいった箇所をつなぎ合わせていますが、それを「捏造だ」と騒ぐなんて馬鹿げたことです。誰もそんなことは言いません。それは、一般に「編集済」であることが広く認知されており、編集をしていないものは、例えば「完全ライブ収録」など、特別なものとして告知されていることが多いためだと思います。音楽家によっては(特にクラシックなど)、編集されることを嫌う人もいますが、それはそれで、きちんとファンに知らされています。編集なしでミスなく完全に演奏した音楽家も、ミスはあっても編集をせずに臨場感を大切にする音楽家も、また、編集をポジティブにとらえて、しっかりと繰り返し聴かれることを意識した録音を大切にする音楽家も、みな素晴らしい音楽家です。編集を行うか行わないか、行うならどのように行うか、そこには演奏者と製作者の間にきちんとした納得があり、それがファンに知らされているので、全く問題がありません。

ひるがえって、今回のアイスショーの件。問題は、「アイスショーをテレビで見るということ」をどう捉えるか、ということに尽きると思います。つまり、テレビはアイスショーを「ライブ」として放映するのか、「作品発表」として放映するのかということです。この点において、ファン(それも、コアなファンからにわかファンまで温度差がある)、ファン以外の世間一般、そして演技する選手たち、全ての間でそれぞれ違った考えの人がいるはずです。「捏造」と批判した側としては、注目度急上昇のフィギュアスケートの話題で、これら「違った考え方の人たち」のどこかひとつにでも、「これはスクープだ」という波紋が広がれば、それで良いわけです。たとえ一握りの人たちであっても「スクープ」という評価さえ受けられれば、それが彼らにとっては最も重要なことでしょう。

今回のような問題にならないためには、テレビ局側が姿勢をはっきりとすべきです。今回のテレビ東京の会見では、「ショーだから問題ない。」という受身な答えしか出されていませんが、なぜ問題がないのか、ショーをどのように捉えているのか、という、本質的な問題を明らかにしてほしいと思います。局側が、「アイスショーをテレビで放映するということは、歌手がCDを録音発表するのと同じことだと考えている。録画され、繰り返し視聴されることを前提として、その人の魅力が一番よく表れた最良の形で届けるために、より良い映像があれば編集する。臨場感を味わいたければ、会場に行ってください。」と、そのコンセプトをきちんと説明してくれれば、私はもちろん納得します。さらに、ショーの出演者には、番組のディレクターがきちんと事前にその旨を説明して同意を得た上で編集が行われるべきだし、視聴者にも「完全ライブではない」ということが事前に知らされるべきだと思います。(今回、出演者に説明が行われたかどうか私は知りませんが、もし行われていないのなら、ということです。)

これらの手順が省かれている背景には、今までの視聴者の多くが、編集を「暗黙の了解」として納得できるコアなファンであったこと、フィギュアスケート自体がマイナースポーツで話題になりにくかったこと、なども挙げられるかと思います。しかし、いまや国民的アイドルとも言える浅田真央選手をはじめ、世界のトップスケーターを多く輩出し、日本は名実ともに世界一のフィギュア大国です。この機会に、しっかりと番組のコンセプトを明らかにし、視聴者が「編集」を納得した上で、楽しく見られるようにしてほしいと思います。このことは、「ならばライブはどうか」と、会場に新たに足を運ぶファンを増やすことにもつながると思うし、しっかりとした対応を取ることで、テレビ東京の社としての評価も上がるでしょう。批判されたからとりあえず「会見」、ではなく、どういう番組を作りたいのか、なぜそういう番組にしたいのか、熱意を持って語ってくれたらいいのにな、と思います。

「ライブ」と「録音(録画)再生」というのは、根本的に性質の違うものです。どちらが良いというものではなく、どちらにもそれぞれの特徴があり、長所、短所があると思います。問題は、視聴者がそれを知り、自分で選び、納得して視聴できるということなのです。スポーツである試合とは違い、ショーはエンターテインメントです。しっかりとした説明さえあれば、編集は悪いことではないと私は思っています。
by maruko_skate | 2010-04-27 12:11 | その他
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