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まるこのフィギュアスケート言いたい放題

フィギュアスケート大好きなまるこが、バンクーバーオリンピック期間限定・・・・のつもりで始めた言いたい放題ブログです。シーズンが終わった現在も、言いたい放題やってます。
by maruko_skate

女子シングルFP~最初で最後の金メダル

オリンピックの閉会式もクライマックスです。長かったようであっという間の(まるで浅田真央選手の感想のようですが・・・苦笑)オリンピックでした。
大好きな女子シングルの結果や演技の感想などは、書きたいことがとてもたくさんあるので、これから少しづつ、ゆっくりと書いていこうと思います。今回は金メダルのキム・ヨナ選手の演技の感想、その他についてです。しばらくお付き合いくださいませ。

まずはキム選手、SP・FPともパーフェクトな演技をそろえての金メダル、本当におめでとうございます。
競技当日は、最後のジャンプをミスなく跳び終えた時点で220点くらいの超高得点が予想できたため、彼女の素晴らしい演技も目に入らずにうわのそらになってしまい、ただただシラけた気分だけが残りました。けれども、今思い出してみれば、それは本当にスピード感と迫力に溢れた、彼女にしか出来ない演技だったのではないかという気がしています。
私はテレビ観戦なので、実際に会場で見るほどのスピード感を画面から感じるのは、正直に言うと難しいのです。それでもキム選手が、他の選手とは比べ物にならないほどのスピードで滑っているのが、なんとなく分かります。そして、ジャンプの飛距離も、一人だけ桁違いですね。コンビネーションでのセカンドジャンプの高さと勢いも別格です。冒頭の3-3はもちろんですが、この日は不安のあったフリップも思い切り跳んでいましたね。この夜、最初から最後までジャンプの高さや勢いが変わらなかったのは、スタミナに問題のあるキム選手が、選手人生のすべてをかけて、死ぬ気で滑りきった結果だったのだと思います。

表現の面から言えば、背後にあるストーリーを魂で演じた真央選手のように、テレビ画面をとおしてまで熱く伝わってくるものはありませんでした。でも、あくまでクールに美しく、計算された精密機械のように、というのも、それはそれで個性です。本当は、ガーシュインのようなストーリーのない曲よりも、昨シーズンまでのように具体的なテーマやストーリーなど、演じる対象がはっきりしているプログラムのほうが得意なはずのキム選手。カナダ(北米)でのオリンピックに合わせたとはいえ、ガーシュインをフリーにもってきたのは、もしかしたら彼女にとっての挑戦だったのかもしれません。がらっとイメージの違う「鐘」を演じきった真央選手のように。

ネットの世界では、キム選手の得点と順位について、「八百長」などの言葉が飛び交っているようです。私は、順位や得点について思うところはあるものの、キム選手本人が関わっていたとする意見は受け入れがたく思います。特に、「キム選手は最初から金メダルを確信していたから、プレッシャーもなくノーミスで滑ることができたのだ」という意見には、真っ向から反対したい。
選手が滑る前から順位を知らされていて、果たしてベストの演技ができるものでしょうか。例えば今年の4大陸選手権、浅田真央選手は絶好調で会場入りし、SPでまさかのミスを連発しました。彼女は、試合にはある程度の「良い緊張感」が必要なのだと反省していたと記憶しています。事前に選手に八百長を伝えることは、選手から「良い緊張感」までも奪い、予想外のミスを招きかねません。信じたくはありませんが、100歩譲って、コーチまでが裏で何らかの操作をしていたとしても、だからといってコーチは決して選手本人にそのことを伝えたりはしないでしょう。それは、元選手であり、オリンピックでの激闘を経験しているオーサー氏が、とてもよく分かっていることだと思います。選手には常に「120%の力を出せ」と求めるのが指導者です。そうして初めて、100%に近い力を選手は出すことができるのです。「いくらミスをしても、間違いなく勝てるよ。あなたの金メダルは約束されている」なんて言ったが最後、選手は簡単なミスをいくつも重ねてしまうでしょう。そういうものだと、私は思うのです。真央選手が3Aの調子を上げていることは、公式練習やSPを見ても明らかですから、どれだけ舞台裏で周到に用意してあったとしても、キム選手本人に最低限の完成度で滑ってもらわないことには、得点のつけようがありません。実際にはキム選手だって、崖っぷちだったのです。
実際に八百長があったかなかったかは、私には知り得ないことです。でも、キム選手は演技終了後に、感極まって涙をぬぐいました。インタビューで、「今まで他の人が泣くのを見ても、気持ちが分からなかった。」と言ったそうです。それは彼女が、今までの試合とは桁違いのものを背負って演技をしていたからだと思います。国から託された使命、そして自分自身の今後の人生、すべてがこの夜の4分間に凝縮されていたのです。ノーミスで演技をやり遂げた彼女は、どれほどの安堵感と解放感だったことでしょう・・・。金メダルを確信していた人間のとるリアクションではなかったと、少なくとも私は考えています。

キス&クライでの彼女の態度がとても落ち着いていて、高得点にも驚いていなかったと指摘する意見も多く目にしました。これについては、私は彼女がグランプリ・フランス杯で出した得点が影響しているのではないかと思っています。彼女はフランス杯で、フリップジャンプをひとつ抜かしながらも、当時の最高得点を更新する210.03点を出しました。ですから、今回の演技をノーミスで終えた時点で、少なくとも210点以上の高得点は予想していただろうと推測します。実際にはフランス杯の得点に、単純にフリップジャンプの得点を上乗せした以上の高得点でしたから、その点について、「あら、思ったよりもかなり出た」といった感じだったのではないでしょうか。あくまでも想像ですが(笑)。

キム選手の演技への直接的な感想よりも、背後を探るような感想になってしまったことが残念ですが、これが今、私が感じている正直なところです。キム選手は、素晴らしい演技をしました。それは間違いなく、五輪史上に残る名演技だったはずです。今回の得点について、私は疑惑をもちろん抱いていますが、そんな裏取引をしなくても、キム選手は実力で金メダルを勝ち取ることができたでしょう。彼女の金メダルを疑惑で汚してしまったのは、選手本人ではなく、彼女の実力を信じきることが出来なかった、周りの人間だと私は思うのです。

キム選手、本当にお疲れさまでした。「もう五輪のことを考えなくてもいいと思うと、心から嬉しい」とまで言った彼女。どれだけ辛い日々を送ってきたのか、胸が痛みます。世界選手権に向けて練習は続くのでしょうが、おそらく今シーズン限りでの引退は間違いないと思います。最後にもう一度、トリノで素晴らしい演技を見せて欲しい。その時こそ私は、点数や順位への疑惑も、裏取引も八百長も何も関係なく、現役最後のあなたの姿を目に焼き付けたいと思っています。金メダル、おめでとうございました。
by maruko_skate | 2010-03-01 13:23 | 女子シングル
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